親に教えたい!無理なく健康寿命を延ばす「正しい1日の歩数」

年齢を重ねると、以前より足腰が弱くなったり、少し歩いただけで疲れやすくなったりすることがあります。

健康のために運動した方がよいと分かっていても、

「毎日1万歩も歩かなければいけないの?」

「膝や腰に不安があっても、ウォーキングをして大丈夫?」

と心配になる方も多いのではないでしょうか。

ウォーキングは特別な道具を必要とせず、日常生活に取り入れやすい運動です。

しかし、健康のためとはいえ、無理をして長い距離を歩く必要はありません。

大切なのは、自分の体力や体調に合わせて、今より少しでも多く体を動かすことです。

今回は、高齢者が1日にどれくらい歩けばよいのか、健康寿命との関係や安全に続けるポイントについて調べてみました。

高齢者が目指したい1日の歩数は約6,000歩

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、高齢者に対して、歩行または同じ程度以上の身体活動を1日40分以上行うことをすすめています。

歩数に換算すると、1日約6,000歩以上がひとつの目安です。

ただし、6,000歩はすべての高齢者が必ず達成しなければならない数字ではありません。

厚生労働省も、健康状態や体力、身体機能には個人差があるため、それぞれに合わせて運動の強さや量を調整し、できることから始めることが大切だとしています。

年齢や体力に合わせた歩数の目安

歩数を考えるときは、年齢だけではなく、現在の運動習慣や足腰の状態も確認することが大切です。

状態1日の歩数の目安
普段ほとんど歩かない方3,000〜4,000歩から
75歳以上の方4,000〜6,000歩程度
65〜74歳で比較的元気な方6,000〜8,000歩程度
国が示す高齢者の目安約6,000歩以上

この数字は、病気やけがのない方が歩数を考える際の参考です。

心臓や肺の病気、関節の痛み、めまいなどがある方は、無理に歩数を増やさず、医師や専門家に相談してから始めましょう。

健康のために1日1万歩は必要なのでしょうか?

以前から「健康のためには1日1万歩」とよく言われています。

しかし、高齢者の場合は、必ずしも1万歩を目指す必要はありません。

京都府亀岡市の高齢者4,165人を対象とした研究では、歩数が増えるほど死亡リスクが低くなる関係は、1日約5,000〜7,000歩で緩やかになることが示されました。

また、1日の歩数が5,000歩未満だった方では、1,000歩増やすことによる健康上のメリットが示されています。

つまり、現在2,000歩程度の方が、いきなり1万歩を目指す必要はありません。

まずは現在の歩数を確認して、今より500〜1,000歩増やすことから始めるとよいでしょう。

500歩は、歩く速さにもよりますが、およそ5分前後の歩行に相当します。

「朝に5分、夕方に5分」というように分けても構いません。

歩くことが健康寿命を延ばす理由

健康寿命とは、介護などを必要とせず、自立した生活を送れる期間のことです。

長生きするだけでなく、できるだけ長く自分の足で歩き、買い物や外出を楽しみたいですよね。

日常的に歩くことには、次のような効果が期待できます。

  • 足腰の筋力維持

  • フレイルや転倒の予防

  • 血圧や血糖値の管理

  • 心肺機能の維持

  • 骨の健康維持

  • 睡眠の質の改善

  • 気分転換やストレス解消

  • 認知機能の維持

ただし、ウォーキングだけですべての筋力を維持できるわけではありません。

椅子からゆっくり立ち上がる運動や、かかとの上げ下げなど、無理のない筋力運動も組み合わせると、転倒予防につながります。

無理なく歩数を増やす方法

毎日まとまった時間を作って、遠くまで歩く必要はありません。

日常生活の中で少しずつ動くことも、歩数に含まれます。

買い物や家事を利用する

例えば、次のような方法があります。

  • スーパーの店内をゆっくり一周する

  • 近所のコンビニまで歩いて行く

  • 駐車場では少し離れた場所に車を止める

  • 掃除や洗濯をしながらこまめに動く

  • テレビのコマーシャル中に室内を歩く

  • 安全を確認しながら階段を利用する

外出する用事がない日でも、座っている時間を少し減らすだけで、活動量を増やせます。

暑い日や雨の日は室内で歩く

日本の夏は気温と湿度が高く、高齢者の屋外ウォーキングには熱中症の危険があります。

暑い日には、無理に外へ出ず、次のような場所を活用しましょう。

  • ショッピングモール

  • 大型スーパー

  • 公共施設の廊下

  • 自宅の廊下や部屋

  • 室内ウォーキングができる運動施設

自宅で足踏みをしたり、椅子につかまりながらゆっくり足を上げたりするだけでも、体を動かすことができます。

高齢者が安全にウォーキングを続けるポイント

歩数を増やすときは、数字だけに集中せず、安全を優先しましょう。

歩き始める前に、足首や膝を軽く動かし、体をほぐします。

歩いている途中で胸の痛み、強い息切れ、めまい、吐き気、膝や腰の強い痛みを感じた場合は、すぐに中止してください。

夏は早朝や夕方でも暑いことがあります。

帽子をかぶり、水分を持ち歩き、気温や熱中症警戒情報を確認してから出かけましょう。

また、歩きやすく滑りにくい靴を選び、暗い時間帯や交通量の多い道は避けることも大切です。

歩数よりも毎日少しずつ続けることが大切

高齢者が目指したい歩数は、1日約6,000歩がひとつの目安です。

しかし、普段あまり歩いていない方が、急に6,000歩や1万歩を目指すと、膝や腰を痛める可能性があります。

最初は今より500歩、慣れてきたら1,000歩というように、少しずつ増やしていきましょう。

1日だけたくさん歩くよりも、無理のない量を続けることの方が大切です。

「今日は少しだけ歩いてみよう」

そんな小さな一歩の積み重ねが、5年後、10年後の健康寿命につながっていくのかもしれません。

体調の悪い日は休み、暑い日は室内で歩くなど、自分のペースに合わせて続けていきたいですね。

夏場に歩く際は、熱中症対策と水分補給も欠かせません。

当ブログの「高齢者は1日にどれくらい水を飲めばいい?」や「高齢者の熱中症対策」の記事も、あわせて参考にしてみてください。

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