「年金だけじゃ、正直きつい…」人生100年時代を生きる日本のシニアの『リアルな家計簿』
「人生100年時代」という言葉を、よく耳にするようになりました。
長く元気に暮らせることは、とても喜ばしいことです。
その一方で、老後が長くなるほど気になるのが、毎月の生活費ではないでしょうか。
私も日本の年金制度について調べているうちに、
「平均的な年金額で、本当に生活できるのだろうか」
「年金だけで足りない場合、シニア世代はどうやって暮らしているのだろう」
と疑問に思うようになりました。
今回は、日本の平均年金額、シニア世帯の生活費、年金だけで足りない場合の暮らし方について、できるだけ分かりやすくまとめてみたいと思います。
2026年度の年金額はいくら?
2026年度の老齢基礎年金の満額は、1人あたり月額70,608円です。
また、会社員として平均的な収入で40年間働いた夫と、専業主婦だった妻を想定した標準的な夫婦の年金額は、2人分の基礎年金を含めて月額237,279円とされています。
ただし、これはすべての人が受け取れる「平均額」ではありません。
実際の年金額は、働いた年数、現役時代の収入、国民年金や厚生年金に加入していた期間によって大きく変わります。
厚生労働省の2026年度の概算では、厚生年金への加入期間が20年以上ある人の年金額は、男性が月額約17万7,000円、女性が約13万5,000円です。
一方、国民年金への加入が中心だった人は、男性が約6万4,000円、女性が約6万2,000円となっています。
つまり、同じシニア世代でも、受け取れる年金額にはかなり大きな差があります。
シニア世帯の平均生活費はいくら?
では、実際の生活には毎月どのくらいのお金が必要なのでしょうか。
総務省の2025年家計調査によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、毎月の消費支出が平均263,979円でした。
税金や社会保険料などを差し引いた可処分所得は221,544円です。
そのため、毎月の生活では平均して約42,000円の不足が生じています。
65歳以上の単身無職世帯では、毎月の消費支出が平均148,445円でした。
可処分所得は118,465円なので、こちらも毎月約30,000円不足しています。
この結果を見ると、平均的な家庭でも、年金などの収入だけでは生活費をすべてまかなえない場合があることが分かります。
しかも、この調査に含まれる65歳以上の二人以上の無職世帯は、持ち家率が95%を超えています。
つまり、家賃を払っているシニア世帯では、平均よりもさらに生活が厳しくなる可能性があります。
年金だけで足りない人はどうしている?
では、日本のシニア世代は、毎月の不足分をどのように補っているのでしょうか。
もっとも一般的なのは、預貯金や退職金を少しずつ取り崩す方法です。
現役時代に準備した貯金を、毎月の生活費、住宅の修繕費、医療費、介護費などに使います。
ただし、毎月3万円不足すると、1年間で36万円、10年間では360万円になります。
夫婦世帯で毎月4万円不足すると、10年間で約480万円です。
長生きするほど必要なお金も増えるため、貯金があっても安心しきれないのが現実です。
次に多いのが、定年後も働き続けることです。
現在の日本では、65歳までの雇用確保措置を実施している企業は99.9%です。
70歳まで働ける機会を用意している企業も34.8%まで増えています。
正社員として働き続ける人だけでなく、再雇用、パート、清掃、警備、スーパー、事務補助など、自分の体力に合わせた仕事を選ぶ人もいます。
年金に毎月数万円の給与が加わるだけでも、貯金の減り方を抑えることができます。
ほかにも、生活費の見直し、繰下げ受給、住み替え、公的支援制度の利用などを組み合わせて暮らしている人がいます。
自宅があるかどうかで老後生活は大きく変わる
老後生活で特に大きな負担になるのが住居費です。
住宅ローンが終わった持ち家で暮らしている場合でも、固定資産税、管理費、修繕費はかかります。
しかし、毎月7万円や8万円の家賃を払い続ける場合と比べると、負担は大きく異なります。
単身世帯で年金収入が月13万円、家賃が7万円の場合、残りは6万円です。
そこから食費、電気代、ガス代、水道代、通信費、医療費などを支払うのは、かなり厳しいでしょう。
そのため、老後資金を考えるときは、年金額だけでなく、住居費が老後にいくら残るのかも一緒に確認する必要があります。
「年金だけで暮らせるか」ではなく、組み合わせて考える
今回調べてみて分かったのは、日本の年金は老後生活の大切な土台ではありますが、すべての生活費を必ずまかなえる制度ではないということです。
実際のシニア世代は、
年金+貯金+退職金+仕事の収入
を組み合わせて暮らしているケースが多いようです。
収入や生活費、持ち家の有無、健康状態は人によって違います。
そのため、「平均はいくらか」だけを見るのではなく、自分の場合はいくら受け取れて、毎月いくら必要なのかを早めに確認することが大切です。
人生100年時代。
長生きを不安に感じるだけではなく、今のうちから年金見込額と生活費を知り、小さな準備を始めることが、老後の安心につながるのかもしれません。
調べながら感じたこと
年金や老後の生活費について、いろいろ調べているうちに、少し複雑な気持ちにもなりました。
人生は、老後に備えるために働き、貯金し、準備を続けていくものなのかもしれない。
そして、その準備ができたかどうかで、老後を少し安心して過ごせるのか、それとも生活に苦労するのかが変わってくるようにも感じます。
もちろん、老後のためだけに今を生きるわけではありません。
今の生活を楽しむことも大切ですし、将来のことばかり考えて不安になる必要もないと思います。
それでも、何も知らないまま老後を迎えるより、今のうちから自分の年金額や生活費を少しずつ確認しておくことは、きっと無駄にはならないはずです。
これが正しい考え方なのかは分かりません。
ただ、今回いろいろ調べてみて、私はそんなことを感じました。
【参考資料】
・日本年金機構
・厚生労働省
・国税庁
.png)
.png)
コメント
コメントを投稿