高級な老人ホームだけじゃなかった。親のために調べたシニア向け住宅の種類

年齢を重ねた親のことを考える時間が、以前より増えてきました。

私の両親は、父と母がそれぞれ別の場所で一人暮らしをしています。電話では元気そうに話していても、離れて暮らしていると「本当に大丈夫かな」と心配になる日があります。

今は自分のことを自分でできていますが、病気や転倒をきっかけに、一人での生活が難しくなることもあるかもしれません。

だからといって、私がすぐに両親と一緒に暮らせるとは限りません。

「もし家族だけで支えることが難しくなったら、どこで暮らしてもらえばいいのだろう」

そう考え、老人ホームやシニア向け住宅について調べ始めました。

正直なところ、最初は「老人ホームはどこも高額で、お金に余裕のある人しか入れない場所」だと思っていました。

テレビで見るのも、ホテルのような部屋や豪華な食事、医療体制が整った高級施設ばかりです。

ところが調べてみると、高級な老人ホームだけではなく、比較的費用を抑えられる公的施設や、一般の賃貸住宅に近いシニア向け住宅など、いくつもの選択肢があることを知りました。

老人ホームは全部同じだと思っていました

最初は、老人ホームとシニア向け住宅の違いさえ、よく分かっていませんでした。

調べてみると、代表的なものだけでも、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、特別養護老人ホーム、グループホームなどがあります。

介護付き有料老人ホームは、食事や生活支援に加え、施設のスタッフから介護サービスを受けながら暮らす施設です。介護が必要な方を中心とする施設だけでなく、元気なうちから入居できる施設もあります。

住宅型有料老人ホームは、食事や見守りなどの生活支援を受けながら暮らし、介護が必要になった場合には、訪問介護など外部のサービスを契約する形が一般的です。

**サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)**は、安否確認と生活相談サービスが付いた高齢者向け住宅です。原則として60歳以上、または60歳未満でも要支援・要介護認定を受けている方などが対象となります。賃貸住宅に近い契約が多く、登録制度上は敷金、家賃、サービス費以外の金銭を受け取らないことなどが定められています。

**特別養護老人ホーム(特養)**は、常に介護を必要とし、自宅での生活が難しい方のための公的な施設です。新しく入所する場合は、原則として要介護3以上の方が対象とされています。費用を抑えられる場合がある一方、希望してもすぐに入れない地域や施設もあるようです。

グループホームは、認知症のある方が少人数で共同生活を送りながら、食事や入浴などの支援を受ける施設です。

私は「年齢さえ満たせば、好きな施設を選んで入れる」と思っていました。

しかし実際には、年齢だけでなく、介護認定の有無、認知症の診断、健康状態、医療行為が必要かどうかなどによって、入居できる施設が変わります。

元気なうちから入れる住宅もあれば、介護が必要になってから対象となる施設もあるため、すべてを同じ「老人ホーム」として考えないほうがよさそうです。

入居時のお金と毎月の費用にも大きな差がありました

やはり一番気になったのは、入居するために必要なお金です。

施設の公開料金を見比べてみると、地域や部屋の広さ、介護・医療体制によって大きな差がありました。

おおまかな価格帯としては、次のような例が見られます。

施設の種類入居時に必要なお金の目安毎月の費用の目安
特別養護老人ホーム原則、大きな入居一時金なし約8万~15万円前後
サービス付き高齢者向け住宅0円~数十万円程度約10万~25万円前後
住宅型有料老人ホーム0円~数百万円以上約15万~30万円前後
介護付き有料老人ホーム0円~数千万円約15万~40万円前後
高級シニア向け住宅数千万円~1億円を超える例も約30万~100万円以上の場合も

※全国一律の料金ではありません。介護保険の自己負担分、医療費、おむつ代、日用品代、追加サービスなどが別途必要になる場合があります。

国土交通省のサ高住情報提供システムを見ても、入居時費用が10万円程度、月額が10万円前後の住宅がある一方、東京都内には入居時費用が100万円を超え、月額も60万円を超える住宅が掲載されています。立地や部屋の広さ、サービス内容によって、同じサ高住でも費用にはかなりの差があります。

また、私が最初に「保証金のようなものなのかな」と思ったのが、入居一時金や前払金です。

有料老人ホームには、入居時に将来の家賃などの一部をまとめて支払う前払い方式と、毎月支払う月払い方式、その二つを組み合わせた方式があります。厚生労働省の介護サービス情報では、前払い方式の例として650万円から2,085万円という金額も紹介されていました。

「マンションが買えてしまいそうな金額だ」と、正直驚きました。

ただし、入居一時金0円の月払いプランもあります。最初に大きなお金を払わない代わりに月額費用が高くなることもあるため、入居時の金額だけでは判断できません。

前払金がある施設では、途中で退去した場合にいくら返ってくるのか、最初から返還されない金額があるのか、何年で全額が償却されるのかも確認が必要です。

施設を探すときは、少なくとも次の点を家族で確認しておきたいと思いました。

  • 入居一時金や敷金はいくらか

  • 毎月の費用に食費や管理費が含まれているか

  • 介護保険や医療費を加えると総額はいくらになるか

  • 夜間の介護・看護体制があるか

  • 介護度が上がっても住み続けられるか

  • 入院や退去の際、前払金がどのくらい返還されるか

  • 面会や外出にどのような決まりがあるか


費用が高ければ必ず安心できるとも、安ければ十分ではないとも言い切れません。

本人がどのように暮らしたいのか、どこまで介護や医療が必要なのか、家族が無理なく支払える金額はいくらなのかを一緒に考えることが大切なのだと思います。

私の両親は、今のところ二人とも元気に暮らしています。

妹と私も、両親と一緒にシニア向け住宅や老人ホームについて話すことがあります。ただ、両親からは「まだ元気なのに、そういう所へ入るのは早いよ」と言われます。

その気持ちもよく分かるので、今すぐ入居先を決めようとしているわけではありません。

最近は、これまでの老人ホームとは少し違う新しいタイプのシニア向け住宅も増えているようです。妹と私は、新しい施設やサービスを見つけるたびに「こんな所もあるみたいだよ」と話しながら、将来の選択肢の一つとして少しずつ調べています。

できれば、この知識をすぐに使う日が来ないことが一番です。

それでも、必要になってから慌てるのではなく、両親が元気な今のうちに、本人たちの希望も聞きながら一緒に知っておくことも大切なのかもしれません。

高級な老人ホームだけが答えではありません。

今の暮らしに近い住宅、公的な介護施設、見守りのある住まいなど、本人の年齢や健康状態、費用に合わせて選べる場所があります。

少し早いと思う時期から家族で話しておくことも、将来への大切な準備なのかもしれません。


今回調べる中で参考にしたもの

厚生労働省「介護サービス情報公表システム」「介護保険制度について」、国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」「サービス付き高齢者向け住宅の登録制度の概要」など

※本記事で紹介した費用は、公開情報をもとにした大まかな目安です。地域、居室、介護度、契約方法によって大きく異なります。入居を検討する際は、各施設の重要事項説明書や料金表を確認し、自治体の高齢者相談窓口や地域包括支援センターなどにもご相談ください。

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