シニアが家の中で転びやすい場所7選|今日から始める転倒予防と安全対策
「外出先では気を付けているけれど、家の中なら大丈夫」と思っていませんか。
実は、高齢者の転倒事故は、玄関や浴室、寝室といった住み慣れた自宅の中でも起こります。毎日使っている場所だからこそ、段差や床に置いた物を見慣れてしまい、危険に気付きにくいこともあります。
まず確認したいのは、次の5点です。
床や通路に荷物を置かない
カーペットやマットのめくれを直す
夜間の廊下や寝室を明るくする
浴室などの滑りやすい場所を見直す
玄関や階段では手すりを使う
大掛かりなリフォームをしなくても、物の置き場所や照明を変えるだけで、転倒防止に役立つ場合があります。
特に優先して見直したいのは、浴室・階段・玄関です。濡れた床や大きな段差、片足立ちになる動作が重なりやすく、転んだときのけがも大きくなりやすい場所だからです。
この記事では、シニアが家の中で転びやすい7つの場所と、今日から取り入れやすい転倒予防の方法をご紹介します。
高齢者が家の中で転びやすい理由とは?
年齢を重ねると、足腰の筋力やバランスを保つ力、反応の速さなどが少しずつ変化します。
若い頃なら簡単に避けられた小さな段差でも、足が十分に上がらなかったり、つまずいた後に体勢を立て直せなかったりすることがあります。
また、視力の変化によって床の段差が見えにくくなったり、夜間に起きた直後のふらつきが重なったりするケースもあります。
消費者庁は、高齢者の転倒・転落事故が住宅内でも起きているとして、段差や床に置かれた物、滑りやすい場所などへの注意を呼びかけています。
転倒は打撲だけで済むとは限りません。骨折をきっかけに外出の機会が減り、足腰がさらに弱くなることも考えられます。そのため、転んでから対策するのではなく、元気なうちから住まいを見直しておくことが安心につながります。
シニアが家の中で転びやすい場所7選
1.浴室
浴室は、家の中でも特に滑りやすい場所です。
床がぬれているだけでなく、浴槽をまたぐ、低い椅子から立ち上がる、向きを変えるといった動作もあります。入浴後は体が温まり、ふらつきを感じる方もいます。
滑り止めマットを敷く、浴槽の近くに手すりを設置する、急に立ち上がらないといった対策が考えられます。ただし、マット自体がずれてつまずくこともあるため、床にしっかり固定できるものを選びましょう。
2.階段
階段は、一度踏み外すと大きなけがにつながりやすい場所です。
手に洗濯物や荷物を持ったまま上り下りすると、足元が見えにくくなり、手すりも使えません。
階段では荷物を一度に運ぼうとせず、なるべく片手を空けておきましょう。照明が暗い場合は、電球を明るいものへ替えたり、人の動きで点灯するセンサーライトを付けたりする方法もあります。
3.玄関
玄関では、靴を履いたり脱いだりするときに片足立ちになりやすく、上がり框の段差もあります。
立ったまま無理に靴を履かず、安定した椅子や玄関用の腰掛けを使うと、姿勢を保ちやすくなります。
よく履く靴は取りやすい位置にそろえ、床に靴や荷物を広げたままにしないことも転倒防止の基本です。
4.寝室
夜中にトイレへ行くため、暗い部屋で急いで立ち上がることはありませんか。
起きた直後は足に力が入りにくかったり、立ちくらみを感じたりする場合があります。また、布団の端やベッドの周囲に置いた物も、つまずきの原因になります。
枕元に照明を置く、寝室からトイレまでの通路に足元灯を設置する、起き上がったら少し座ってから立つなどの工夫がおすすめです。
5.廊下・リビング
廊下やリビングでは、新聞、買い物袋、電気コード、座布団など、日常的に使う物が通路に置かれやすくなります。
「あとで片付けよう」と置いた物ほど、存在を忘れてつまずきやすいものです。
歩く場所には物を置かず、コード類は壁沿いにまとめましょう。カーペットの端が浮いている場合は、滑り止めシートや固定テープを使ってめくれにくくします。
6.キッチン
キッチンでは、床に落ちた水や油で足を滑らせることがあります。
高い棚の物を取るために、椅子や不安定な箱の上へ乗るのも避けたい行動です。
よく使う食器や調味料は、腰から肩の高さに収納すると取り出しやすくなります。床がぬれたら後回しにせず、その場で拭く習慣をつけましょう。
7.ベランダ・庭
ベランダや庭には、窓のレール、出入り口の段差、植木鉢、ホースなど、足を取られやすいものがあります。
雨の後は床が滑りやすくなり、サンダルが足に合っていないと歩きにくさも増します。
通路をふさぐ物は端へ寄せ、滑りにくく、かかとが安定する履物を選ぶと安心です。
転倒しやすい人の特徴
転倒は年齢だけで決まるものではありません。ただ、次のような変化がある方は、住まいの安全を一度見直してみるとよいでしょう。
最近、何もない場所でつまずくことが増えた
椅子や壁につかまって立つことが多い
夜中に何度もトイレへ行く
以前より段差が見えにくくなった
足に力が入りにくいと感じる
立ち上がったときにふらつく
歩く速度が遅くなった
転倒が心配だからといって、自己判断で外出や運動をすべて控える必要はありません。動く機会が減ると、かえって筋力が低下することもあります。
体調に不安がある場合は、かかりつけ医や理学療法士などに相談し、無理のない運動方法を確認すると安心です。
今日からできる転倒防止チェックリスト
家の中を歩きながら、次の項目を確認してみましょう。
□ 通路に新聞や荷物を置いていない
□ 電気コードが床を横切っていない
□ カーペットやマットの端がめくれていない
□ 夜間でも玄関や廊下が見える
□ 浴室の床が滑りやすくない
□ 階段や玄関で手すりを使える
□ よく使う物を高い所に置いていない
□ スリッパや室内履きが脱げやすくない
一度整えて終わりではなく、季節の変わり目や家具を動かした後にも確認すると、危険な場所を見つけやすくなります。
転倒予防のために毎日できること
住まいを安全に整えることに加えて、足腰の力を保つことも転倒予防の一つです。
厚生労働省の高齢者向け運動に関する情報でも、体調に合わせて体を動かし、筋力やバランス能力を保つことが勧められています。
散歩や椅子からの立ち座り、かかとの上げ下げなど、普段の生活に取り入れやすい動きから始めると続けやすくなります。
また、眼鏡が合わなくなっていたり、服用中の薬によって眠気や立ちくらみが出たりする場合もあります。気になる変化があるときは、薬を自己判断でやめず、医師や薬剤師へ相談してください。
家族と一緒に住まいを見直してみましょう
長く暮らしている家では、段差や家具の配置に慣れてしまい、本人には危険が見えにくいことがあります。
同居している家族がいる場合は、家の中を一緒に歩きながら、「暗い場所はないか」「手をつく場所はあるか」「床に物が出ていないか」を確認してみましょう。
離れて暮らす家族も、帰省したときに浴室・階段・玄関の3か所から見ていくと、優先順位を付けやすくなります。
本人に相談せず家具を移動すると、かえって歩きにくくなることもあります。普段の動線や使いやすさを聞きながら、少しずつ見直すことが大切です。
まとめ
家の中の転倒は、特別に危険な行動をしたときだけ起こるものではありません。
玄関で靴を履く、夜中にトイレへ行く、浴槽から立ち上がるといった、毎日の何気ない動作の中にも転倒のきっかけがあります。
まずは事故につながりやすい浴室・階段・玄関から確認し、その後に寝室や廊下、キッチンも見直してみましょう。
床の物を片付ける、足元を明るくする、滑りやすい場所を整えるなど、すぐに始められる転倒防止策もあります。
今日、ご自宅を歩きながら「ここでつまずかないかな」「暗くて見えにくくないかな」と見渡してみてください。小さな気付きが、これからも安心して暮らすための備えにつながるかもしれません。
今回調べる中で参考にしたもの
消費者庁「高齢者の転倒・転落事故に関する注意喚起」
厚生労働省「高齢者の転倒予防に関する情報」
政府広報オンライン「高齢者の家庭内事故を防ぐための住まいの安全対策」




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