毎日食べている果物、大丈夫?持病によって注意したい果物と理由
「果物は体に良いから、毎日食べた方がいい」
そう考えている方は多いのではないでしょうか。
果物には、ビタミンや食物繊維など、健康維持に役立つ栄養素が含まれています。健康な方の場合、果物は1日200g程度を摂取することが目標とされています。
私自身もこれまで、果物は体に良いものなので、食べる種類や量をそれほど気にする必要はないと思っていました。
しかし先日、父が体調を崩して病院へ行ったことをきっかけに、初めて知ったことがあります。
それは、一般的に健康に良いといわれている果物でも、腎臓病や糖尿病などの持病、服用している薬によっては、食べ方に注意が必要になることがあるということです。
もちろん、バナナやトマトなどの食品そのものが悪いわけではありません。
大切なのは、何となく「健康に良さそうだから」と食べ続けるのではなく、自分の体の状態に合った種類や量を知ることです。
今回は、シニア世代が知っておきたい、持病によって注意が必要になる果物と、安心して食べるためのポイントについて調べてみました。
腎臓病や腎機能の低下がある場合はカリウムに注意
腎機能が低下するとカリウムが排出されにくくなる
カリウムは、体内の水分バランスや筋肉、神経などの働きに関わる大切な栄養素です。
健康な方の場合、食事から摂取した余分なカリウムは、主に腎臓を通して尿と一緒に排出されます。
しかし、腎不全などによって腎機能が低下している場合は、カリウムを十分に排出できず、医師から摂取量を制限するよう指示されることがあります。
血液中のカリウム濃度が高くなりすぎる状態は「高カリウム血症」と呼ばれます。
そのため、慢性腎臓病(CKD)や腎機能の低下を指摘されている方は、「果物だから健康に良い」と自己判断して大量に食べるのではなく、主治医や管理栄養士に確認することが大切です。
ただし、腎臓病の方全員が、すぐにカリウムを制限しなければならないわけではありません。
病気の進行度や血液検査の結果によって、必要な制限は一人ひとり異なります。
バナナやトマトだけが悪いわけではない
カリウムを比較的多く含む食品として、次のようなものがよく挙げられます。
・バナナ
・キウイフルーツ
・メロン
・アボカド
・ドライフルーツ
・トマト
・トマトジュースや野菜ジュース
ここで注意したいのは、「バナナやトマトは腎臓に悪い」と単純に決めつけないことです。
健康な方にとって、カリウムは不足しないように摂取したい栄養素です。高血圧予防の観点から、野菜や果物を取り入れることが勧められる場合もあります。
一方で、腎機能が低下し、医師からカリウム制限を指示されている場合には注意が必要です。
同じ食品でも、体の状態によって「積極的に取りたい食品」にも「量を調整したい食品」にもなるのです。
また、ジュースやスムージーは複数の果物や野菜を一度に使用するため、気づかないうちに摂取量が多くなることがあります。
毎日飲んでいる健康ジュースがある方も、一度原材料や量を確認してみると安心です。
糖尿病がある場合は果物の種類と量に注意
果物にも糖質が含まれている
果物はお菓子よりも健康的な印象がありますが、自然由来の果糖やブドウ糖、ショ糖などの糖質が含まれています。
そのため、糖尿病の方は、果物を完全に避ける必要はありませんが、食べる量に注意することが大切です。
特に注意したいものには、次のようなものがあります。
・果汁100%のジュース
・スムージー
・ドライフルーツ
・シロップ漬けの缶詰
・ジャムなど砂糖を加えた加工品
ジュースやスムージーは固形の果物よりも短時間で飲みやすく、一度に多く摂取してしまうことがあります。
また、ドライフルーツは水分が少なく小さく見えるため、量が少ないように感じても、食べすぎにつながりやすい食品です。
糖尿病の食事療法では、果物を一律に禁止するのではなく、治療内容や必要なエネルギー量に合わせて適量を取り入れる考え方が基本です。
一般的な健康目標である「1日200g」は、糖尿病の方にそのまま当てはまるとは限りません。糖尿病の食事療法では、果物を1日80kcal程度とする考え方もあるため、主治医や管理栄養士から示された量を優先しましょう。
健康な方の目安と治療中の方の目安は異なる
健康な方の果物摂取量の目安は、1日200g程度です。
おおよその例としては、
・みかんなら2個程度
・りんごなら1個程度
・バナナなら2本程度
などが挙げられています。
ただし、これは健康な方を対象とした一般的な目安です。
糖尿病や腎臓病がある方は、病状や薬、血液検査の結果によって適量が異なります。
「一般的な目安だから、自分も同じ量を食べてよい」とは限りません。
果物を食べる際には、一度にまとめて食べるのではなく、量を決めて取り入れることも大切です。
薬を飲んでいる方はグレープフルーツにも注意
一部の薬はグレープフルーツの影響を受ける
持病のある方は、果物と薬の組み合わせにも注意が必要です。
よく知られているのが、グレープフルーツと一部の医薬品との相互作用です。
グレープフルーツジュースを飲むことで、一部の降圧薬、脂質異常症の薬、免疫抑制薬などの作用が強くなり、副作用が現れやすくなることがあります。
ただし、すべての血圧の薬やコレステロールの薬が影響を受けるわけではありません。
薬の種類によって異なるため、自己判断で薬を中止したり、すべての柑橘類を避けたりする必要はありません。
新しい薬を処方されたときや、普段からグレープフルーツをよく食べる方は、
「この薬を飲んでいる間、グレープフルーツを食べても大丈夫ですか」
と医師や薬剤師に確認しておくと安心です。
薬の説明書も確認しておく
年齢を重ねると、高血圧や糖尿病、脂質異常症など、複数の薬を服用する方も増えてきます。
薬を受け取った際に渡される説明書には、避けた方がよい食品や飲み物が記載されていることがあります。
以前から飲んでいる薬でも分からないことがあれば、薬局で尋ねてみましょう。
「健康に良い食品だから薬とは関係ない」と考えず、食事と薬を一緒に確認することが大切です。
果物は食べてはいけないのではなく自分に合った食べ方が大切
一つの食品だけを怖がりすぎない
ここまで読むと、
「果物は食べない方がいいのでは?」
「バナナやトマトは危険なの?」
と心配になる方もいるかもしれません。
しかし、果物そのものが危険なのではありません。
健康な方にとって、果物は毎日の食生活に取り入れたい食品の一つです。
問題になる可能性があるのは、特定の病気や薬があるにもかかわらず、体の状態を確認せずに大量に食べ続けることです。
「この果物は良い」「この果物は悪い」と一つだけで判断するのではなく、食べる量や頻度、持病、服用している薬まで含めて考えることが大切です。
血液検査の結果や医師の指示を優先する
同じ腎臓病でも、カリウム制限が必要な方と、特に制限を指示されていない方がいます。
同じ糖尿病でも、血糖値や治療方法、活動量によって適切な果物の量は異なります。
インターネットやテレビで見た健康情報だけを頼りに、急に果物をやめたり、反対に大量に食べたりするのは避けたいところです。
通院している方は、血液検査の結果を確認しながら、主治医や管理栄養士、薬剤師に相談しましょう。
「何を食べてはいけませんか」と聞くだけでなく、
「どのくらいなら食べても大丈夫ですか」
「代わりに食べやすい果物はありますか」
と具体的に尋ねると、普段の食生活に取り入れやすいアドバイスを受けられます。
まとめ
今回、父の通院をきっかけに、私は「体に良いといわれている食品でも、すべての人に同じように良いとは限らない」ということを知りました。
バナナやトマトは、健康な方にとって悪い食品ではありません。
しかし、腎機能が低下してカリウム制限を受けている方や、糖尿病の治療中の方、一部の薬を服用している方は、種類や量、食べ合わせに注意が必要になることがあります。
年齢を重ねると、若い頃には気にする必要がなかった食べ物でも、病気や薬の影響によって注意が必要になることがあります。
大切なのは、健康情報を見て怖がりすぎることではなく、自分の体の状態を知り、自分に合った食べ方を見つけることです。
「誰かにとっての健康食品」が、「自分にとっても健康食品」とは限りません。
果物を楽しみながら、持病や薬とうまく付き合い、自分の体に合った食生活を続けていきたいですね。
※持病の種類や症状によって食事制限の内容は異なります。
実際の食事管理については主治医や管理栄養士へご相談ください。
【参考資料】
・厚生労働省
・日本糖尿病学会
・日本腎臓学会
.png)



.png)
コメント
コメントを投稿