老眼鏡は1本で十分?家用・外出用・パソコン用の違いと選び方
老眼鏡は、1本あれば十分だと思っていませんか。
私も以前はそう思っていました。ところが母は、家の机で使うものと、外出するときに持ち歩くものを分けています。
「同じ老眼鏡なのに、なぜ何本も必要なのだろう」と不思議に思っていましたが、話を聞いてみると、見る距離や使う場面がそれぞれ違うからでした。
家では新聞や本を読んだり、スマートフォンを見たりします。一方、外出先ではスーパーの値札やレストランのメニュー、病院の問診票などを確認します。
パソコンの画面を見る距離も、本を読むときとは少し違います。
そのため、1本ですべてに対応しようとするよりも、用途に合わせて使い分けたほうが楽に感じる方もいるようです。
この記事では、家用・パソコン用・外出用の違いと、老眼鏡を選ぶときに確認しておきたいポイントを、できるだけ分かりやすくご紹介します。
老眼鏡を用途別に使い分けると便利な理由
日本眼科学会では、老視、いわゆる老眼について、遠くや近くに自由にピントを合わせる力が衰え、近くのものが見えにくくなる状態と説明しています。
ただし、「近く」といっても、読書、パソコン、買い物では見る距離が同じではありません。
母が机で使っている老眼鏡は、本や書類など手元を見るためのものです。ところが、そのメガネを掛けたまま少し離れた場所を見ると、かえって見えにくいことがあるそうです。
反対に、外出用は手元だけを見るのではなく、周囲を見ながら必要なときに値札や文字を確認することも考えて選んでいます。
私も、母がスーパーで商品の表示を確認するときに、バッグから外出用のメガネを取り出す姿を見て、「家で使うものとは役割が違うのだな」と実感しました。
老眼鏡を何本持つべきかについて決まりはありません。まずは、自分がどこで、何を見るために使っているかを振り返ってみることが大切です。
家では読書や手元の作業に合うものを
家の中では、新聞や本を読む、スマートフォンを見る、薬の説明書を確認する、裁縫をするといった場面があります。
こうした作業は、比較的近い距離を長く見ることが多いため、手元の距離に合わせたメガネが使いやすい場合があります。
リビングや寝室など、よく使う場所にそれぞれ置いている方もいます。毎回探す必要がなくなり、踏んだり落としたりするのを防ぎやすくなる点も便利です。
ただし、読書用のメガネを掛けたまま歩くと、足元や周囲が見えにくく感じることがあります。立ち上がるときや部屋を移動するときは、いったん外したほうが安心でしょう。
パソコン作業では見る距離が少し変わります
パソコンの画面は、本やスマートフォンよりも離れた位置に置くことが一般的です。
そのため、手元を見るためのメガネでは画面がぼやけたり、顔を画面に近づけてしまったりすることがあります。
母も机で長く作業するときは、読書用とは別のメガネを使っています。画面が見やすい距離に合わせてあるため、姿勢を崩さずに済むと言います。
パソコンやタブレットを長時間使う方は、実際に画面を見る距離を眼鏡店で伝えて相談すると選びやすくなります。
「老眼鏡なら度数だけ合わせればよい」と考えがちですが、どの距離を見たいのかも大切なポイントです。
外出用は軽さと丈夫さも確認したい
外出先では、買い物の値札、レストランのメニュー、電車の時刻表、病院や役所の書類など、小さな文字を見る機会が意外と多くあります。
持ち歩くメガネは、見え方だけでなく、軽さや丈夫さも確認しておくと安心です。
母が外出用に選んでいるのは、落としても壊れにくい、柔軟性のあるフレームです。バッグの中に入れて持ち運ぶため、家で使うものよりも丈夫さを重視しています。
外出用を選ぶ際は、次の点を確認するとよいでしょう。
長時間掛けても重く感じにくいか
フレームが硬すぎず、多少の衝撃に耐えられそうか
ケースに入れて持ち歩きやすい大きさか
掛け外しがしやすいか
鼻や耳に痛みが出にくいか
ただし、「割れない」「絶対に壊れない」と表示できる製品はほとんどありません。丈夫な素材であっても、落とし方や踏み方によっては破損する可能性があります。
購入するときは、「壊れにくい素材か」「修理や調整に対応してもらえるか」という見方をすると選びやすいでしょう。
老眼鏡の度数はどう選べばよい?
市販の老眼鏡には、一般的に「+1.0」「+1.5」「+2.0」などの度数が表示されています。
数字が大きくなるほど強い度数になりますが、年齢だけで選べるものではありません。同じ年齢でも、もともとの視力や左右の目の状態、見たい距離によって合う度数は異なります。
店頭で試す場合は、実際に使う距離で文字を見て確認することが大切です。
読書用なら、本や新聞を普段読む位置で試します。パソコン用なら、画面までのおおよその距離を確認しておくと相談しやすくなります。
強い度数を選べばよく見えるとは限りません。必要以上に強いものを使うと、見づらさや疲れを感じる場合もあります。
また、市販品は左右が同じ度数で作られているものが多いため、左右の見え方が違う方には合わないことがあります。
左右差がある、文字が二重に見える、片方の目だけ見えにくい、掛けてもすぐ疲れるといった場合は、眼科や眼鏡店で相談する方法があります。
老眼鏡は何本くらい必要?
必要な本数は、暮らし方によって変わります。
例えば、普段あまり外出せず、読書のときだけ使う方なら1本でも不便を感じないかもしれません。
一方で、家で本を読む、パソコンを使う、外出先でも細かい文字を見るという方は、次のように分けると使いやすくなることがあります。
家で手元を見るためのもの
パソコンや机での作業に使うもの
バッグに入れて持ち歩くもの
万一に備えた予備
すべてを一度にそろえる必要はありません。
まずは最も使用頻度が高い場面に合う1本を選び、使ってみて不便を感じたら追加する方法でも十分です。
私の母も、最初から何本も持っていたわけではありません。家用を使っているうちに「外で落とすのが心配」「パソコンでは少し見づらい」と感じ、少しずつ使い分けるようになりました。
見え方が変わったら老眼だけと決めつけない
以前はよく見えていたのに、最近急に文字が読みづらくなったとき、「年齢のせいだから」と済ませてしまう方もいるかもしれません。
日本眼科医会は、目の老化に関する情報の中で、小さな字が読みにくい、目が疲れやすい、目がかすむといった症状のほか、物がゆがんで見える、視界の一部が見えにくいといった症状にも注意を促しています。
老眼鏡を掛けても見えにくい状態が続く、見え方が急に変わった、左右で見え方が大きく違うといった場合は、老眼以外の原因が隠れている可能性も否定できません。
日本眼科医会によると、眼科では視力だけでなく、近視・遠視・乱視などの屈折異常や、目にほかの異常がないかを検査します。
不安を感じたときは、自己判断で度数を上げ続けるのではなく、一度眼科で相談すると安心です。
まとめ
老眼鏡は、必ずしも1本ですべての場面に対応できるとは限りません。
家では読書や手元の作業、机ではパソコン、外出先では値札や書類の確認など、使う場所によって見る距離が変わります。
外へ持ち歩くものなら、軽さや掛け心地に加えて、落としたときに壊れにくいフレームかどうかも大切です。
まずは普段どのような場面で見えにくさを感じるのかを整理し、自分に必要な1本から選んでみてはいかがでしょうか。
母のように、使っているうちに不便を感じた場面に合わせて、家用・作業用・外出用と少しずつ増やしていく方法もあります。
老眼鏡を掛けても見えにくい、見え方が急に変わった、片方の目だけ違和感があるときは、「老眼だから」と決めつけず、眼科に相談することも大切です。
今回調べる中で参考にしたもの
公益社団法人 日本眼科医会「40代で始まる目の老化」
公益社団法人 日本眼科医会「40歳からはじめたい アイフレイル(目の老化)対策」
公益財団法人 日本眼科学会「老視(老眼)」




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