高齢の親の家で帰省するたびに確認していること。父の一人暮らしで見直した安全対策
父が一人暮らしをしているため、実家へ帰ると、以前より家の中をよく見るようになりました。
最初から「危険な場所を探そう」と考えていたわけではありません。いつものように過ごしているうちに、浴室のスリッパを履いたときに思った以上に滑ったり、台所の照明が切れたと聞いたりして、少しずつ気になる場所が増えていきました。
住み慣れた家は、本人にとって使いやすい場所です。その一方で、長年変わらず使っている物の中に、年齢を重ねることで負担になっているものがあるかもしれません。
消費者庁では、高齢者の転倒事故の約半数が住み慣れた自宅で起きているとして、浴室の滑り止めや、通り道に電源コードを置かないことなどを呼びかけています。だからといって、家中を一度に変える必要はありません。親の生活を尊重しながら、気づいた場所から見直すことが大切なのだと思います。
高齢の親の家で確認しておきたい安全チェック
私が父の家で実際に確認していることと、次に帰ったときに見ておきたいことをまとめました。
すべての家庭に同じ対策が合うわけではありませんが、久しぶりに実家へ帰る方は、家の中を見渡すときの参考にしてみてください。
□ 浴室や脱衣所の床は滑りやすくないか
□ 浴室用スリッパの着脱が負担になっていないか
□ 台所、廊下、玄関の照明は十分に明るいか
□ 電話やスマートフォンの文字は見やすいか
□ 家族や緊急連絡先をすぐに呼び出せるか
□ 玄関に靴や荷物が広がっていないか
□ 冷蔵庫に長く残っている食品はないか
□ 薬の置き場所や飲み方が分かりやすいか
□ 床を横切る電源コードや延長コードはないか
□ 階段がある家では、手すりや足元の照明が十分か
父と母はマンションで暮らしているため、家の中に階段はありません。ただ、戸建て住宅では階段や段差も確認しておきたい場所です。
政府広報でも、高齢者の転倒は居間や寝室だけでなく、玄関、廊下、階段、浴室など、身近な場所で起こると紹介されています。見慣れた場所ほど危険に気づきにくいこともあるため、家族が別の目線で確認することにも意味がありそうです。
父の家で実際に見直したこと
浴室のスリッパをなくし、滑り止めマットを敷きました
父の家の浴室には、浴室用のスリッパが置いてありました。
私が履いてみたところ、想像していたよりも滑りやすく感じました。スリッパそのものが滑ることに加えて、濡れた場所で履いたり脱いだりする動作も、かえって危ないのではないかと思いました。
そこで、父の家では浴室用スリッパを置くのをやめました。代わりに、シャワーの水で洗い流せるタイプの滑り止めマットを敷いています。
掃除が複雑なものでは、使わなくなる可能性があります。そのため、滑りにくさだけでなく、父が無理なく手入れを続けられるかどうかも考えて選びました。
消費者庁も、浴室や脱衣所での転倒対策として滑り止めマットの使用を挙げています。ただし、マット自体がめくれたり、ずれたりすると危険になる可能性もあるため、ときどき状態を確認したほうがよさそうです。
次に照明を交換するときはLEDも考えています
少し前に父から、台所の照明が切れたため、電気工事をする人に来てもらったと聞きました。
高齢になると、脚立や踏み台に乗って照明を交換することは心配です。消費者庁の調査でも、高齢者がけがを経験した製品として脚立や踏み台が多く挙げられています。
私は父に、「次に交換するときはLEDでもいいかもしれないね」と話しました。
LED照明は一般的に長寿命とされていますが、交換すれば永久に使えるわけではありません。また、古い蛍光灯器具にランプだけを取り付ける方法では、器具内部の劣化が残る場合があります。
経済産業省は、照明器具の使用年数が目安となる10年を超えている場合、ランプだけでなく器具ごとLED照明へ交換することも検討するよう案内しています。父の家でも、次回は使用年数を確認し、必要であれば専門業者へ相談しようと思っています。
電話は文字を大きくし、家族の番号を登録しています
父のスマートフォンは、文字を大きく表示する設定にしています。
連絡先には母と妹の番号を登録し、必要なときにすぐ電話できるようにしています。番号が登録されているだけでなく、父自身が普段から呼び出し方を分かっていることも大切です。
緊急時には落ち着いて番号を探せないことも考えられます。設定したままにせず、ときどき一緒に操作してみることも必要かもしれません。
玄関には普段履く靴だけを出しています
父の家では、よく履く靴だけを玄関に出し、あまり履かない靴は靴箱に入れています。
靴をすべて収納すると、毎回出し入れすることが負担になります。一方で、何足も床に並べると、足を取られる原因になるかもしれません。
見た目をきれいにすることより、父が無理なく使えて、歩く場所を確保できることを優先しています。
冷蔵庫の中身は電話でも確認しています
実家へ行けないときは、父に「今日は冷蔵庫に何が入っている?」と聞くことがあります。
買ったものの、どう料理すればよいか分からず、そのまま残っている食材もあります。そのようなときは、「それなら、こうすれば簡単に食べられるよ」と短いレシピを伝え、なるべく早く食べるように勧めています。
冷蔵庫を家族が勝手に整理すると、本人が嫌な気持ちになることもあります。まず中身を聞いて、一緒に食べ方を考えるくらいが、父には合っているようです。
薬はテーブルの一角にまとめています
父が飲んでいる薬は、テーブルの一角に薬ケースでまとめられています。
家の中に何か所も分散しているより、本人も家族も確認しやすくなります。ただし、薬によっては保管方法が異なるため、すべてを同じケースに移すのではなく、薬剤師から受けた説明や薬の表示を確認する必要があります。
薬の飲み忘れについては、以前まとめた「高齢者の薬の飲み忘れ対策」の記事にもつなげられそうです。
次に帰ったら電源コードを確認します
今回チェック項目を整理しながら、私は父の家の電源コードをきちんと確認していなかったことに気づきました。
普段歩く場所には目立ったコードがないと思っていましたが、テーブルや家具の陰、延長コードの周辺までは見ていません。
消費者庁は、転倒を防ぐため、電源コードが通り道にこないよう家電の配置を工夫することを勧めています。次に帰ったときは、コードが床を横切っていないか、差し込み口の周辺にほこりや傷みがないかも見てみるつもりです。
親の暮らしを変えすぎず、気づいた場所から見直す
私も、最初から父の家をすべて確認したわけではありません。
浴室でスリッパが滑ると感じたときには、滑り止めマットへ変更しました。照明が切れたと聞いたときには、次回はLED照明も検討しようと思いました。記事を書きながら、電源コードをまだ見ていなかったことにも気づきました。
家族には危険に見えても、親にとっては長年続けてきた生活習慣です。説明せずに物を捨てたり、急に配置を変えたりすると、かえって使いにくくなることもあります。
「危ないから全部変えよう」ではなく、「これは使いにくくない?」「こちらのほうが楽ではない?」と話しながら、一つずつ見直すくらいがよいのかもしれません。
次に実家へ帰ったときは、特別な点検をするつもりでなくても、親と話しながら浴室、照明、玄関、薬、冷蔵庫、電源コードを少し見渡してみてください。
小さな気づきが、高齢の親の転倒予防や家庭内事故を考えるきっかけになるかもしれません。
今回調べる中で参考にしたもの
消費者庁「住環境における高齢者の事故について」
消費者庁「転倒事故の約半数が住み慣れた自宅で発生しています」
消費者庁「みんなで知ろう、防ごう、高齢者の事故」
政府広報オンライン「たった一度の転倒で寝たきりになることも。転倒事故の起こりやすい場所と予防法」
経済産業省「蛍光灯からLED照明への切り替えはお済みですか?」



コメント
コメントを投稿