離れて暮らす親が心配…帰省したら私が最初に確認していること
日本で暮らすようになってから、韓国へ帰省するたびに気になることがあります。
私の両親は、韓国でそれぞれ別々に暮らしています。
電話をすると、二人とも決まって、
「大丈夫だよ」
「ちゃんと食べているよ」
と答えます。
もちろん、その言葉を疑っているわけではありません。
けれども、実際に家へ行ってみると、「あれ?」と思うことが少しずつ増えてきました。
冷蔵庫に同じおかずが何日も残っていたり、重い水を買いに行くことが負担になっていたり、寝室の布団や床の掃除まで手が回っていなかったりします。
そのため、今では両親の家へ着くと、冷蔵庫、トイレ、寝室、食事の様子などを自然に確認するようになりました。
親のできないことを探すためではありません。
以前は当たり前にできていたことが、いつの間にか負担になっていないかを知るためです。
親の家に着いたら、まず冷蔵庫と水を確認します
私が最初に見る場所の一つが、冷蔵庫です。
「食べ物が入っているかな」ということよりも、私はつい、
「同じおかずが何日も残っていないかな」
「消費期限が過ぎた食品はないかな」
という点を先に見てしまいます。
冷蔵庫がいっぱいでも、すぐに食べられるものがほとんどないことがあります。反対に、冷蔵庫が空に近ければ、買い物に行くこと自体が負担になっている可能性もあります。
消費者庁でも、購入した食品は適切な温度で保存し、作った料理や総菜はできるだけ早めに食べることが大切だと案内しています。
私は冷蔵庫の中を見ながら、古い食品を処分し、期限が近いものを手前へ移すことがあります。
必要であれば、保存容器に日付を書いたり、一度に多く買いすぎないようにしたりするだけでも、食品を忘れにくくなるかもしれません。
水の残りも必ず確認しています。
ペットボトルの水は便利ですが、箱で買って家まで運ぶのは大変です。
両親も最初は「まだ自分で買える」と言っていました。
けれども、年齢を重ねると、以前は平気だった重さが腰や膝の負担になることがあります。
そこで今は、私と妹がインターネットで水を定期的に注文しています。
自分で重い箱を運ばなくてよくなり、離れて暮らす私たちも、水が家にあることを確認できるようになりました。
ただし、一度に多く届けすぎると、置き場所や段ボールの片づけが新たな負担になります。本人が無理なく管理できる量を考えることも大切だと感じています。
トイレや寝室を見ると、小さな変化に気づくことがあります
次に確認するのが、トイレと寝室です。
トイレでは、床が濡れていないか、足元に物が置かれていないか、夜でも安全に移動できる明るさがあるかを見ています。
立ち上がるときに壁や便器につかまっているようであれば、本人が思っている以上に足腰へ負担がかかっているかもしれません。
厚生労働省でも、高齢者の転倒は骨折や要介護状態につながることがあるため、住まいの中の段差や滑りやすい場所、照明などに注意することが大切だとしています。
寝室では、布団が湿っていないか、シーツを交換できているか、床に転びやすい物が置かれていないかを確認します。
母は比較的きれいに管理していますが、父の家では、帰るたびに私が布団を整えたり、掃除をやり直したりすることがあります。
以前は「どうして掃除していないの」と言いたくなることもありました。
けれども、掃除ができていない背景には、足腰の痛み、疲れやすさ、視力の変化、掃除機の重さなど、本人なりの理由があるのかもしれません。
そのため最近は、できていないことを責めるのではなく、
「この掃除機、重くない?」
「布団を干すのが大変になっていない?」
と聞くようにしています。
家族が見たいのは、部屋が完璧に片づいているかどうかではなく、以前できていたことが負担になっていないかという変化なのだと思います。
食事作りが負担になったら、宅配弁当も一つの方法です
父は腎臓の状態に合わせた食事が必要です。
私と妹も、以前は電話で、
「今日は何を食べたの?」
と聞いていました。
けれども、聞くだけでは本当に食べられているのか、塩分や栄養のバランスは大丈夫なのか分かりません。
そこで現在は、腎臓の状態に配慮した宅配弁当を利用しています。
利用しているのは、届いてから一日か二日ほどで食べる冷蔵タイプと、冷凍庫に保存して必要なときに電子レンジで温める冷凍タイプです。
冷蔵弁当は、届いた食事をすぐに食べやすい一方、消費期限が短いため、受け取る日や食べる予定を考えて注文する必要があります。
冷凍弁当は、買い物に行けない日や、料理をする気力がない日のために保存しておけます。
ただし、冷凍庫に十分な空きがあるか、本人が電子レンジを安全に操作できるかも確認しておきたいところです。
日本にも、高齢者向けの配食サービスや冷凍弁当、塩分やたんぱく質などに配慮した食事を扱うサービスがあります。
厚生労働省では、高齢者向けの配食について、食事を届けるだけでなく、本人の健康状態や食べる量に合っているかを確認することも重要だとしています。
腎臓病などの持病がある場合は、「減塩」や「たんぱく質調整」と書かれている商品を自己判断だけで選ばず、主治医や管理栄養士に相談したうえで利用するほうが安心です。
制限を厳しくしすぎると、食べる量が減り、低栄養や体力低下につながる可能性もあるためです。
帰省したときに確認しているチェックポイント
| 確認する場所 | 見ていること |
|---|---|
| 冷蔵庫 | 食品の期限、同じおかずが残っていないか |
| 水や飲み物 | 十分な量があるか、買い物が負担になっていないか |
| トイレ | 床の濡れ、立ち座り、夜間の照明 |
| 寝室 | 布団、シーツ、掃除、床の物 |
| 食事 | 食べる量、宅配弁当の残り、冷凍庫の空き |
| 薬 | 飲み忘れや、同じ薬が余っていないか |
すべてを細かく点検する必要はないと思います。
会話をしながら家の中を少し見るだけでも、普段の電話では分からない変化に気づくことがあります。
親の「大丈夫」を否定せず、必要なところだけ手伝いたい
帰省するたびに、
「両親も年を重ねたんだな」
と感じる場面が少しずつ増えました。
以前なら簡単にできていた買い物や掃除、布団の手入れが、少しずつ大変になっていきます。
それを見ると、寂しい気持ちになることもあります。
けれども、親がまだできることまで家族が先回りしてしまうと、自信や生活の楽しみを奪ってしまうかもしれません。
買い物が大変なら水を届ける。
料理が負担なら宅配弁当を利用する。
掃除が難しい場所だけ一緒に片づける。
できなくなったことを数えるのではなく、今もできていることを大切にしながら、本当に困っている部分だけを補っていけたらと思っています。
私もまだ試行錯誤の途中です。
離れて暮らしているからこそ、会えたときには冷蔵庫を開け、部屋を見て、ゆっくり話を聞く。
その小さな積み重ねが、親の暮らしを支えることにつながるのかもしれません。
今回調べる中で参考にしたもの
消費者庁の食品安全に関する公開情報、厚生労働省の高齢者の転倒予防、地域高齢者向け配食サービス、慢性腎臓病と高齢者の栄養管理に関する資料などを参考にしています。
※本記事は、筆者の家族の体験と公的機関の公開情報をもとに作成しています。持病に合わせた食事や生活支援の方法は、一人ひとりの健康状態や生活環境によって異なります。必要に応じて、医師、管理栄養士、地域包括支援センターなどへご相談ください。





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